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白内障

眼球には、ものをよく見るためにピントを合わせる「水晶体」と呼ばれる弾力性のある透明なレンズがあります。

白内障は、この「水晶体」が濁る眼病です。白内障だけでは痛み・充血はありません。
「目のかすみ」が主な症状ですが、次のような症状がある場合も白内障の疑いがあります。
白内障の原因として最も多いのは、加齢によるもので「加齢性白内障」と呼ばれています。
個人差はありますが、誰でも年をとるにつれ、水晶体は濁ってきます。
加齢性白内障は一種の老化現象ですから、高年齢の人ほど発症しやすくなります。
また、アトピーや糖尿病・外傷などが原因となり、若いうちから発症することもあります。

緑内障

緑内障とは、眼圧の上昇などが原因となって視神経が損傷を受け、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。

大きく分けて、突然眼圧が上昇して急激な頭痛・眼痛・視力低下などを引き起こすことがある『閉塞隅角緑内障』と、徐々に眼圧が上昇し(もしくは眼圧は正常範囲内で)、ゆっくり視野が狭くなる『開放隅角緑内障』の2つがあり、一般的によく言われる緑内障とは後者のことです。
日本人では、40才以上の17人に1人は緑内障と言われていますので、1年に1度は検診をお勧めします。

糖尿病

糖尿病と診断されて、内科には通院しているけれど、眼科通院はしていないという方、いらっしゃいませんか?

糖尿病は体のあちこちに様々な合併症を引き起こします。
目も例外ではなく、網膜症の他、白内障・緑内障などを引き起こし、進行すると失明してしまうこともありますので、定期的な眼科検診が必要です。
視力・眼圧などの一般検査の他、必要に応じて詳しい眼底検査を行っています。

眼底検査は、
瞳孔を開く目薬を点眼しますので、個人差はありますが、平均5時間ほど焦点が合わなくなったり、日光をまぶしく感じたりします。
車や自転車での来院はお控え下さい。

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性とは網膜(カメラのフィルムにあたる組織)の黄斑というところに異常な老化現象が起こり、視機能(視力や視野)が低下してくる病気です。
黄斑は網膜のほぼ中央にあり、網膜の中で最も視機能が格段に良く、物を見る要の部分です。

中でも、黄斑の中央部分にある中心窩は、特に視機能が鋭敏な一点です。
視力検査でいう「視力」とは、中心窩の視力のことです。
眼底の病気の治療のポイントは、この中心窩の機能をどれだけ回復・維持できるかが大きなポイントです。

初期段階では自覚症状がなく早期発見が困難です。
進行すると、ものが歪んで見えたり(変視症)、見ているものの中心が欠けてしまったり(中心暗転)、視力低下を招いてしまったりします。

50歳以上に多く発症することから、黄斑、特に、網膜色素上皮細胞の加齢による老化現象が主な原因と考えられています。
また、高血圧や心臓病、長期間の紫外線被爆、喫煙、栄養バランス(亜鉛・ビタミン・ルテインなどの不足)の乱れなどの関与も報告されています。

加齢黄斑変性は根本的治療の出来ない病態であり、早期発見し予防に努めて行くことが重要になります。
早期発見するためには、眼底検査と視野検査が行われます。

50歳を過ぎたら、年に1度は眼底検査を受けることをお勧め致します。

網膜・硝子体疾患

目の奥の疾患には、網膜剥離・出血・黄斑円孔・黄斑変性症など様々なものがあります。
『飛蚊症』と呼ばれる、黒い虫のようなものが飛ぶ症状は、これらの疾患が原因となっている場合と、加齢性変化による良性の場合があり、眼底検査を行って原因を確定する必要があります。
良性の飛蚊症だった場合は経過観察で構いませんが、原因疾患が見つかった場合は、疾患によってレーザー治療や手術、内服加療が必要になります。

中心性網膜炎(ちゅうしんせいもうまくえん)

中心性網膜炎、あまり聞きなれない病名ですが、中年の男性に以外と起きやすい病気なのです。
この病気は物を見る部分である網膜という部分が腫れてしまう病気です。
症状としては視力低下、中心部が暗く見える、物が小さく見える、物が歪んで見える等の症状が一般的な症状です。
症状としては黄斑変性にも似ているので、症状が出たらすぐに眼科を受診することが望ましいです。
診断方法としては眼底検査ですが、ときたま網膜色素上皮症やぶどう膜炎も同様な症状が出ることがあるので、蛍光造影剤による検査を行うこともあります。
治療としては3か月から6か月で自然に引いていく場合がほとんどです。
特効薬はありませんが、循環機能改善薬ビタミン剤で経過を見ることが一般的です。

この病気は繰り返すことがあり、場合によっては半年以上長引く場合があり、こうなってくると網膜が弱くなってしまい、視力が低下したりする場合があります。その場合はレーザー治療を施す場合もあります。
この病気の原因ですが、詳しいことはわかっておりませんが、事務系の仕事や頭脳労働に携わっている男性の方に起こりやすい傾向があり、過労やストレスが原因ではないかと言われています。
ストレスや疲労は確実に眼にも影響を及ぼしてしまいますので、日頃から疲労やストレスをためないように注意してくださいね。

鼻涙管閉塞

鼻涙管閉塞とは、涙道という涙の通り道が狭く阻まれて、何もしていないのに涙や目やにが溜まって、多く出てきてしまう症状です。

■鼻涙管閉塞の症状
鼻涙管閉塞の症状は、涙や目やにが常に出てくることです。
何もしていないのに常に目が涙で潤んでしまい、まつげや目尻に目やにが沢山付いてしまいます。
また、目やにが常に残ると細菌の感染で結膜炎などの他の目の病気にもなりやすくなります。
鼻涙管閉塞の原因
本来、まぶたの上方で作られた涙は目の表面を潤したり汚れを流して、鼻涙管を通って鼻に流れます。
何らかの原因で、このパイプの役割が作動しないと鼻涙管閉塞を起こします。
鼻涙管閉塞の原因は、先天的な原因と後天的な原因に分かれます。

  • (1)先天的な鼻涙管閉塞
    鼻涙管の形成異常です。
    出生時から涙や目やにといった症状が続いている場合は、先天的な原因が考えられます。
    先天的な鼻涙管閉塞の赤ちゃんは目薬で治まっても、またいつの間にか症状が出てしまうのが特徴です。
  • (2)後天的な鼻涙管閉塞
    蓄膿症や鼻の病気、結膜炎からの細菌で起こります。
    これは赤ちゃんだけでなく高齢者にも見られる原因です。
    鼻涙管は目と鼻を1本で繋げる管なので症状は目に出ても、原因が鼻の異常であることもおかしくありません。
鼻涙管閉塞の治療法
鼻涙管閉塞の治療は、軽度の場合はマッサージで詰まりを取り除く事が出来ます。
しかし効果が1度で出る保証はないので、長引く場合は適切な処置が必要です。

  • (1)ブジーによる処置
    特に先天性の鼻涙管閉塞は、ブジーという細い針金状の治療具を鼻側の目の端にある涙点から差し込んで鼻涙管に通します。
    ブジーで鼻涙管にできた膜を突き破ることで症状が改善されます。
  • (2)目薬の点眼
    細菌感染による急性結膜炎を起こしている場合は抗生物質の入った目薬が効果的です。
    しかし、鼻涙管閉塞そのものの治療を完全にしなければ、常に結膜炎になりやすい状態にあるので注意が必要です。
鼻涙管閉塞のマッサージ
鼻涙管閉塞に効果的なマッサージは、閉塞が解消された後、再び再発しないようにする目的もあります。
症状が軽い場合はマッサージによって膜が解消されることもあるので、家庭での正確なマッサージも効果的です。
マッサージあとは点眼をして、清潔を保ちます。マッサージした指で目をこすると細菌が移る可能性もあるので、必ずマッサージした人の手も洗浄しておきましょう。

飛蚊症

飛蚊症とは、視界の中に黒い点や、ゴミのような物体、時には輪のようなものが動いて見える症状のものをいい、眼の前に蚊が飛んでいるような見え方をするために、飛蚊症といいます。

主な原因として、生理的飛蚊症と後部硝子体剥離があげられます。
これはいずれも老化現象の一種であり、特に治療を要するものではありません。

【生理的飛蚊症とは?】
これは老化現象の一種で硝子体内の線維の濁りが起きます。
また、近視の強い方も他の方に比べ、飛蚊症が起きやすいとも言われております。
線維が濁ると、それが眼底に影を落とすようになります。
この影が動かないときにはあまり感じませんが、眼を動かしたときには感じることがあります。
硝子体はどろっとした物質であり、眼を動かすたびに揺れ動きますから、それと一緒に影も揺れ動きます。
それで眼を動かすたびに黒点が飛ぶように見えるのです。
【生理的飛蚊症の経過】
飛蚊症は一度発生すると大抵は生涯治りませんが、これは病気ではないので治療法はありませんし、治療をする必要もありません。
このような人は比較的おり、60歳くらいになると、10人に1人は飛蚊症があるといわれています。
しかし、黒点の数が急激に増えたり、ものが見えにくくなってきた時には、出血や網膜剥離などが起こっている可能性がありますので、早急な眼底検査が必要になります。
【若年層の生理的飛蚊症】
胎生期には視神経乳頭から水晶体後面一帯にかけて硝子体血管というものがありますが、これは胎生8か月程度で消失し、あとに微細な線維様の物を残すのみになります。
この微細線線維様が多い人では、若年層の飛蚊症の原因となることがあります